開発者について

Kotone共感翻訳ラボ 開発者プロフィール写真
Developer Profile

堀越 保和
Horikoshi Yasukazu

Kotone共感翻訳ラボ 主宰 / Meaning OS 研究者

人や社会の中で生まれる「意味のずれ」を読み解き、 理解可能な形に整理するための研究を行っています。 Kotone共感翻訳ラボでは、Meaning OS という理解基盤の仮説を中心に、 AI協働研究と支援ナビゲーションの実践開発に取り組んでいます。

Meaning OS AI協働研究 支援ナビゲーション 日本 / オンライン

この研究を始めた背景

人と人が関わる場面では、同じ出来事を見ていても、受け取り方が大きく異なることがあります。 親子の間、友人関係、支援の場面など、人と人が関わるところには、意見の違いや解釈の違いが生まれます。

そうした違いが生じたとき、相手の言葉や意図を自分の立場から解釈することで、 違和感や不満が大きくなることがあります。 その違和感の大きさによって感情が動き、行動や関係のあり方が変わっていくことも少なくありません。

こうした経験を重ねる中で、私は「意味のずれ」という視点を意識するようになりました。 相手の意図を相手の立場で正確に受け取ることは、実際にはとても難しいものです。 また、このようなずれは他者との関係だけでなく、自分自身との対話の中でも生じます。

私は、意味のずれそのものが問題なのではなく、それをどのように解釈するかが重要なのではないかと考えています。 厳しい言葉を受け取ったとき、それをそのまま辛さとして抱え続けてしまう場合もあります。 あるいは、反発として相手にぶつけてしまったり、自分の内側で同じ思考を繰り返し続けてしまうこともあります。

そうしたとき、感情や状況、立場などを少し引いた視点で整理できれば、 違った理解の道筋が見えることがあります。 このような背景から、意味のずれを読み解き整理するための視点として、 「共感翻訳」という考えを少しずつ形にしていきました。

共感翻訳では、状況や感情、背景にある価値観などを複数の視点から整理し、 自分の気持ちや相手の立場をマッピングすることで、 見えていなかった関係の構造を捉え直すことを試みます。

その過程を通して、自分自身の解釈の偏りや、相手への誤解が生まれる道筋が見えてくることがあります。 そうした理解が生まれると、一歩引いた視点から、より建設的に考えるきっかけを持つことができます。

この共感翻訳の考えを、個人的な方法としてだけでなく、より多くの人が使える形にできないかと考えるようになったとき、 「Meaning OS」という発想が生まれました。 Meaning OSは、人や社会の中で生じる意味のずれを整理し、理解可能な形に翻訳するための理解基盤の仮説です。

この研究では、AIを答えを出す装置としてではなく、 思考を整理し構造を見つけるための対話パートナーとして活用しています。 共感翻訳の考えを多くの人が使える形にできれば、 嫌な出来事そのものがなくなるわけではないかもしれません。 しかし、それを受け止める視点や、人とつながるための考え方のレパートリーが増える可能性があります。

そのような小さな変化の積み重ねが、少しずつ未来を明るくしていくのではないかと考えています。

実践と研究のあいだで取り組んでいること

現在は、療育事業所への支援を中心に、発達理解ナビを通した相談支援や、 支援計画の整理・サポートなどに取り組んでいます。

支援者や保護者の方から寄せられる相談では、子どもの行動や関係の中で起きている出来事を整理し、 理解の見取り図をつくることを大切にしています。

その過程で、何が起きているのか、その背景にはどのような要因があるのかを丁寧に見ていきます。 原因は、個人の特性だけでなく、環境、関係性、役割、状況など、 さまざまな要素が重なり合って生まれることが多くあります。

支援では、そうした要素を一つずつ整理しながら、人それぞれの思いや願いを踏まえて、 より良い形で関係や状況が循環していくよう構造を整えていきます。

個々の人が無理をしながら動くのではなく、できるだけ自然に、主体的に関われる環境が整うこと。 その結果として、関係の中により良い循環が生まれることを大切にしています。

Kotone研究ラボで扱っているテーマ

Kotone研究ラボでは、意味のずれを理解可能な形に整理するために、 以下のようなテーマを中心に研究と実践開発を進めています。

Meaning OS

人や社会の中で生じる意味のずれを整理し、翻訳するための理解基盤の仮説。

AI協働研究

AIを思考パートナーとして活用し、理論整理や構造発見を支える研究。

支援ナビゲーション

人間理解を前提に、支援者・保護者・当事者が見取り図を持てるようにする実践。

共感翻訳

感情や願い、背景の価値観を読み解き、理解の道筋を可視化する視点。

構造整理

個人だけでなく、環境、関係性、役割、状況を含めて全体を捉え直す方法。

実装への接続

研究を支援計画、相談支援、サービス設計などの形に接続していく試み。

研究におけるスタンス

支援の場面では、出来事をすぐに評価や判断に結びつけてしまうことがあります。 しかし、私はまず「理解すること」を大切にしています。

何が起きているのか。その背景にはどのような要因があるのか。 人、環境、関係、状況などの要素を整理し、構造として捉え直すことで、 これまで見えていなかった可能性が見えてくることがあります。

この研究は、人を分類したり判断したりするためのものではなく、 理解のための見取り図をつくる試みです。 人それぞれの思いや願いを尊重しながら、 よりよい関係や環境の循環を生み出していくことを目指しています。

AIとの研究について

この研究では、AIを答えを出す装置としてではなく、 思考を整理するための対話パートナーとして活用しています。

意味のずれや解釈の違いを整理するとき、 人はどうしても自分の経験や価値観の枠の中で考えてしまいます。 AIとの対話は、そうした視点の偏りを和らげ、状況や関係を客観的に整理する助けになることがあります。

AIは、人の知的能力の差を補い、理解を支えるツールになる可能性を持っています。 そのため、この研究ではAIの得意な部分を活かしながら、 人がよりよい理解と環境をつくっていくための方法を探っています。

目指している未来

私が目指しているのは、人が理解を持ってつながることができる社会です。

人それぞれが自分の人生の主人公として、自分らしく生きていくことができる社会。 そのためには、困難や葛藤が生まれたときにも、それを乗り越えていくための力や支えが必要になります。

一人ひとりがレジリエンスを持ち、互いにエンパワーメントし合える関係が広がることで、 安心感のある社会に近づいていくのではないかと考えています。

Kotone研究ラボでは、意味のずれを整理する研究と実践を通して、 そうした未来につながる理解の基盤を育てていきたいと考えています。

基本情報

名前
堀越 保和(Horikoshi Yasukazu)
立場
Kotone共感翻訳ラボ 主宰 / Meaning OS 研究者
研究分野
Meaning OS / AI協働研究 / 支援ナビゲーション / 共感翻訳 / 構造整理
主な活動
療育事業所へのサポート、発達理解ナビを通した相談支援、支援計画サポート、理論とサービスの展開
活動拠点
日本 / オンライン

このラボで公開している内容

Kotone研究ラボでは、研究の背景、理論、構造、観察記録を、それぞれ異なるページで公開しています。

  • 研究ノート 仮説・観察・理論生成の記録を公開しています
  • 研究マップ Kotone研究の全体構造を整理したページです
このページを読んでくださった方へ

このラボは、完成した答えだけを示す場所ではありません。 まだ名前のついていない違和感や、言葉になりきらない感覚に仮の言葉を置いてみるための場所です。 同じような問いを持つ方にとって、何かの見取り図になればうれしく思います。

研究の入口を見る

Kotone研究ラボでは、研究ノート、研究マップ、理論ページ、AI研究ページを通して、 意味のずれを整理するための理解基盤を少しずつ公開しています。