共感翻訳

Kotone Method

共感翻訳
意味のずれを整理する翻訳プロセス

共感翻訳は、人や社会の中で起きる「意味のずれ」を整理するための方法です。 理解しようとする前に、まず何がどのようにずれているのかを受け取り直し、 見取りとして可視化していきます。

このページでわかること

  • 共感翻訳とは何か
  • 翻訳と理解の違い
  • 共感翻訳の流れ
  • 翻訳モードの種類
  • 研究と実践のつながり

共感翻訳とは何か

共感翻訳とは、
意味のずれを整理する翻訳行為です。

人や社会の中で起きる問題は、単なる情報不足だけでなく、 意味の受け取り方や前提の違いから生じることが多くあります。

共感翻訳は、そのずれを感情・状況・関係・背景の観点から整理し、 見取りとして受け取り直していく方法です。

つまり、すぐに結論を出すための方法ではなく、 まず「何がまだ整理されていないのか」を見えるようにするための方法です。

感情を見る 表に出た気持ちだけでなく、その奥にある願いや痛みも見ます。
背景を見る 状況、役割、関係、環境など、外側の条件も整理します。
見取りをつくる 何と何がどうずれているのかを、見取りとして整えていきます。

理解との違い

共感翻訳は理解の代わりではなく、 理解が生まれる前段を整えるプロセスです。

Understanding

理解

相手の考えや状況を把握しようとすることです。

ただし、意味の前提がずれているままでは、 理解しようとしても言葉がうまく噛み合わないことがあります。

Translation

翻訳

意味の前提や背景を整理し、 何がどこでずれているのかを見取りとして受け取り直すことです。

翻訳によって意味のずれが見えてくると、 理解や対話がはじめて生まれやすくなります。

共感翻訳のプロセス

共感翻訳は、観察して終わるのではなく、 意味のずれを整理し、見取りとして整え、次の対話や支援へひらいていく流れを持っています。

1. 観察 感情、行動、関係、状況などを急いで判断せずに観察します。
2. 翻訳 意味のずれや背景を整理し、「何が起きているのか」を言葉にしていきます。
3. 見取りを整える 翻訳された内容を、関係や前提の見取りとしてまとめます。
4. ひらく 理解、対話、支援、関係の読み直しなど、次の営みへつなげていきます。

4段階で見る要約図

観察 まず見る
翻訳 意味を整える
見取り 受け取り直す
ひらく 次へつなぐ

共感翻訳は「わかるかどうか」を急ぐのではなく、 まず意味のずれを整えてから、理解や対話へ進むための方法です。

翻訳モード

共感翻訳は一つの固定手順ではありません。 見る対象に応じて、複数の翻訳モードを使い分けます。

Emotion

共感翻訳(内的理解)

感情や願いを整理し、その人の内側に含まれる意味を受け取り直します。

Situation

状況翻訳

関係、役割、環境、制度などの外側の条件を整理し、 ずれが生まれる場の見取りを整えます。

Question

問い翻訳

問いの形を整理し、思考や対話がどこで止まっているのかを見つめ直します。

Introspection

内省翻訳

自分自身の思考や経験を整理し、 自分の言葉で納得が生まれていく過程を支えます。

Structure

構造翻訳

複数の意味の関係性を見取りとして整理し、 全体のつながりを見えるようにする翻訳です。

Bridge

接続翻訳<

個人理解で終わらず、対話や支援、関係の調整へ接続していくための翻訳です。

研究と実践

共感翻訳は、研究室の中だけに留まる方法ではなく、 社会の中で確かめられ、育てられていく方法でもあります。

ひらかれている領域

相談

個人や家族の中で起きている意味のずれを整理し、関係や納得の見取りをつくる領域です。

支援

発達支援、教育、福祉の現場で、子ども・家族・支援者の理解をつなぐための領域です。

研究

意味の翻訳プロセスそのものを観察し、方法や理論を育てていく領域です。

共感翻訳の役割

共感翻訳は、誰かを一方的に理解したことにするための技術ではありません。

むしろ、わかったつもりになる前に立ち止まり、 まだ整理されていない意味を丁寧に見つめるための方法です。

そのため、相談・支援・対話・研究のどの場面でも、 「何が起きているのか」を見失わないための見取りとして働きます。